これまで、おなかの赤ちゃんの染色体を調べる方法といえば、おなかに針を刺す羊水検査以外に精度の高いものはありませんでした。ところが2012年、より安全で精度の高い検査が出現し、出産前診断をめぐる状況が大きく変わろうとしています。
2012年、妊婦の血液検査で胎児の染色体異常がわかる、新型の出生前診断「NIPT(母体血胎児染色体検査)」が話題になりました。精度が90%以上と大々的に報道され、関心を持った人も多いでしょう。
大量の遺伝子を高速で読みと解く新技術により、母体血にわずかに含まれる胎児の遺伝子を検査できるようになったのです。現在は赤ちゃんの染色体異常だけを判別する検査ですが、いずれは将来かかるであろう病気や、がんまで予測できるといわれています。
「すべて先天異常がわかる」は誤解
出生前診断に詳しい横浜市立大学病院の平原先生は言います。「海外ではすでに開始されている検査ですが、日本ではまだ研究途中。センセーショナルな報道だったため、妊婦の血液検査で赤ちゃんの全ての先天異常がわかると誤解している人もいますが、わかるのは先天異常のなかでも染色体異常の一部だけ。正しい知識を持って検査を受けてもらいたいので、専門資格を持つ産婦人科医やカウンセラー「遺伝カウンセリング」とセットで検査を受けることが必要です」
子どもの障がいについてどう考えるのか。このことは本来、誰もが親になる準備として考えておく必要がある事柄なのです。
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